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カラヴァッジョ展 @国立西洋美術館

上野の国立西洋美術館で開催されている、「カラヴァッジョ展」(~6月12日まで)を見に行きました。
art カラヴァッジョ展 公式サイト

Caravaggio_11

イタリア・バロック期を代表する巨匠、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610)。通称カラヴァッジョ。本展は、日伊国交樹立150周年を記念しての企画展で、カラヴァッジョと、その継承者たちの作品約50点を紹介しています。

カラヴァッジョの作品は、移動不可能な作品を含め、わずか60余点しか現存しないそうですが、今回はそのうち過去最多の11点が来日しています。これだけまとまった数の作品が一堂に会する機会は世界でも稀なことで、貴重な作品の数々を堪能しました。

カラヴァッジョの作品の魅力は、一言でいえば”禁断の魔力”でしょうか...。ユニークな風俗画、妖艶な美少年、グロテスクな斬首...聖書や神話を描いた作品も人間ドラマのようなリアリティがあり、その生々しさにドキッとさせられました。

それでも見る者の心を惹きつけてやまないのは、誰の心にもあるタブーを覗き見てみたい気持ち、悪への好奇心を刺激しているからかもしれません。発表された当初は、きっと問題作として注目をさらったのではないかしら?と想像しました。

彼は弟子をとらなかったそうですが、「カラヴァジェスキ」とよばれる熱狂的な支持者たち、継承者たちが現れたというのも納得です。また、光と影をみごとに生かした画法は、のちにルーベンス、ラ・トゥール、レンブラントなど、17世紀の画家たちにも影響を与えたとされています。

作品以外では、カラヴァッジョの素行の悪さを裏づける、警察の調書が何点も展示されていておもしろかったです。^^ 何度も暴力沙汰を起こして逮捕され、殺人まで犯しました。逃亡中に熱病にかかり、38歳で短い生涯を閉じるという、波乱万丈の人生を送りました。

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女占い師 (1597)
占い師が手相を見るふりをして指輪を抜き取ろうとしています。題材が斬新で、当時の人々には衝撃だったそうです。左の女性はミア・ワシコウスカに似ているような?? まるで映画のワンシーンのようです。

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(左) トカゲに噛まれる少年 (1596-97)
一瞬の驚きと恐怖が伝わってきます。モデルはカラヴァッジョ自身だそうです。

(右) ナルキッソス (1599)
自分の姿に恋して溺れる、ギリシャ神話を描いた作品です。暗闇にスポットライトが当たり、まるで舞台演劇を見ているようです。

Caravaggio_20

果物籠を持つ少年 (1593-94)
手前の果物籠にフォーカスを合わせ、背景の少年をややぼかして描いています。今の一眼レフカメラで撮るようなテクニックを、この時代に取り入れていたことに驚きます。

Caravaggio_18

エマオの晩餐 (1606)
私が最も心を動かされた作品です。殺人を犯したカラヴァッジョが、ローマからの逃亡中に描いた作品で、弟子の前に現れた復活したイエスを、静かに、ドラマティックに表現しています。

私はふと、三浦綾子さんの小説「ひつじが丘」のラストを思い出したのですが、これは数々の悪行を重ねてきたカラヴァッジョが、人生の最期に神に赦しを求めて描いた作品なのではないかな?と想像しました。

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コメント

セレンさん☆
カラヴァッジョという作家を初めて知りました。
独特な画風ですね。
トカゲに噛まれていたりと、肖像画なのに動きがあるのが面白いです。
殺人まで犯しているとは!
なんだか人物像にフォーカスと当てると絵も面白く観られたりしますよね☆

投稿: ノルウェーまだ~む | 2016年3月31日 (木) 09時40分

「果物籠を持つ少年」が心に残りました。
仰る様にある意味ピントを意識したような
描き方をこの頃にしていたといのは、驚きです。
ひょっとして、今の時代からタイムスリップしたのでは?
なんて思ってしまいます^^

投稿: イザワ | 2016年3月31日 (木) 11時08分

こんにちは。cherry

カラバッジョ展、私も行ってきました!

作品の所蔵場所も展示されてましたけど、幾つかがアメリカにあるのを除けばほとんどがヨーロッパにあるので、こうしてまとまった作品を見られるのはとても貴重な機会ですよね!

ゴーゴンの首の絵、怖かったですよね。あの絵も凄く有名なので、本物が見られて感動しました。

記事がたまっちゃてるので少し後になると思いますが、私もブログ記事にしてみる予定です!happy02

投稿: ごみつ | 2016年3月31日 (木) 17時14分

☆ ノルウェーまだ~むさま ☆
こんにちは。
カラヴァッジョ、作品もさることながら
人物もクレイジーなエピソード満載で、おもしろく見れました。

ここでは、比較的当たり障りのない作品を紹介していますが
中にはR15?というような危ない作品もありましたよ。^^

投稿: ☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ | 2016年3月31日 (木) 18時42分

☆ イザワさま ☆
こんにちは。
「果物籠を持つ少年」は、イザワさんはきっと
気に入られるのでは?と思っていました。^^

この時代に、こうした表現を実践していたとは
その先進性に驚きますね。
多くの芸術家たちの心をとらえ、
フォロワーがたくさん現れたというのも納得です。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2016年3月31日 (木) 18時47分

☆ ごみつさま ☆
こんにちは。
Twitterでちらっと拝見しました。
私もちょうど同じ頃に見に行ったんですよ。
すごくよかったですよね。

現存する作品が少ないうえに、世界中に散らばっているので
まとめて見ることができてよかったです。

狂気のエネルギーにすっかり当てられましたが
晩年の静かなる宗教画も心に残りました。

ごみつさんの記事、楽しみにしています☆

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2016年3月31日 (木) 19時00分

2月に日本へ里帰りした際、この作品展の広告をあちこちで見かけて、行きたいと思ったのですが、開催が遅すぎて間に合いませんでした。いいなぁ、セレンディピティさん。この作品展をさぞかし堪能されたこととお察しします。

以前アムステルダムの美術館で、カラヴァジオ/フェルメール/レンブラントの比較展を観たことがあり、それぞれの画家の同じモチーフでの明暗の使い方の違いに感動した覚えがあります。カラヴァジオの絵は狂気が漂っていて、怖かったのを覚えています。彼の描く少年の肌の色がなんともいえず色気(?)があって驚きました。
私はバロック期の画家が大好きなんです。白の使い方、身震いするほど大好きなんです。しばらくこれらの絵画を目にしていないので、目の保養に欧州へ今すぐ行きたいくらいです…。


投稿: Schatzi | 2016年4月 1日 (金) 21時33分

セレンディピティさん、お久しぶりです。
デレク・ジャーマンの「カラヴァッジョ」(1987)では、彼はゲイということになっていましたが、どうも、この展覧会を見る限り、血の気の多い喧嘩早い男性のようで、ゲイと言う感じはしませんね。私は最後の作品が気に入りました。こういう展覧会が見られて、都会っていいなあ……。

投稿: Bianca | 2016年4月 1日 (金) 21時49分

☆ Schatziさま ☆
こんにちは。
カラヴァッジョ展、Schatziさんとはちょうど入れ違いだったのですね。
カラヴァッジョの作品と、影響を受けた画家たちの作品
そして彼の人物像を知る資料もあり、充実した企画展でした。

本展も、同じモチーフを、他の画家の作品と並べて展示している
コーナーがありましたが、おもしろい試みですよね。
フェルメール、レンブラントにどのような影響を与えたか...
実際に比較して見てみたいです。
カラヴァッジョの描く美少年は、どきっとする妖艶さがありますね。

私もしばらくヨーロッパに行ってないので
いつか時間ができたらゆっくり美術館めぐりをしたいです。confident

投稿: ☆ Schatziさま ☆ | 2016年4月 2日 (土) 16時12分

☆ Biancaさま ☆
こんにちは。
後でカラヴァッジョを描いた映画が2つあると知り
(デレク・ジャーマン作品と、2007年のイタリア映画)
遅ればせながら見てみたいなーと思っていたところです。
Biancaさんはデレク・ジャーマン監督の映画をご覧になっているのですね。

ジャーマン監督ご自身が同性愛者でHIVで亡くなっているそうで
そういう描き方をされたのかもしれませんね。
真実は知りませんが、たしかに少年の描き方には
ひょっとしたらそうした偏愛の傾向があったのかも...
と思わせるものがありました。あまりに妖艶でどきっとしました。

投稿: ☆ Biancaさま ☆ | 2016年4月 2日 (土) 16時20分

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