大坂屋砂場と、切腹最中
虎ノ門にあるお蕎麦の老舗、大坂屋砂場さんに少し早めの年越しそばを食べに行きました。
オフィス街にひょっこりと現れる、趣のある和風建築が目を引きます。大坂屋砂場さんは創業1872(明治5)年の老舗で、今ある建物は1923(大正12)年、関東大震災前に建てられました。
「砂場」は、「藪」「更科」とならぶ江戸三大蕎麦のひとつに数えられますが、もとは大坂城を築く際に、資材の砂置き場で蕎麦屋を開業したことに由来するそうです。お昼の時間を少しはずして訪れたので、ほどなくして席に着くことができました。
中は伝統的なお蕎麦屋さんらしい造りですが、きれいに改修され、空調が目立たないよう埋め込まれています。店内は満席で活気にあふれ、仲居さんが忙しそうにきびきびと動いていますが、応対がていねいでくつろげました。
私はふだんはとろろそばや、なめこおろしにすることが多いですが、この日は気分で季節の”白魚の天せいろ”をいただきました。むちっと弾力のあるおそばはとてもおいしかったです。見た目以上にボリュームがあり、食後にとろりとしたそば湯で体を温めると、すっかりおなかいっぱいになりました。
ほかには芝海老かき揚げ天せいろに、桜えび天せいろと、この日はなぜかビジュアル的にみんな同じおそばになってしまいました。^^ 天ぷらは単品でもいろいろ頼めるので、好きなおそばに追加してもいいですね。お酒と肴のメニューも充実しています。
おいしいお蕎麦を堪能したあとは、虎ノ門ヒルズの前から新しくできた環状2号を新橋方面に向かい、御菓子司 新正堂さんを訪れました。こちらのお店のお目当ては、忠臣蔵の季節にぴったりの、その名もずばり”切腹最中”です。
お店が田村屋敷跡にあり、(のちに忠臣蔵へとつながる)浅野内匠頭が切腹した場所であることから、ご主人が発案され、お店の看板お菓子となっています。
皮からあんがはみ出すほどにぎっしり入った最中は、見た目のインパクトもさることながら、しっかりとした甘みがあっておいしい。話のタネにはいいけれど、贈答用にはどうかしら...と思いきや、12月14日の討ち入り前後はもちろん、ちょっとしたお詫びの品として場所柄ビジネスマンに人気があるそうです。
ちなみに小判の形をした、縁起物の”景気上昇最中”もありました。^^ 商売上手なご主人のアイデアの勝利ですね。
このあと、新正堂さんの向かいにあるタミヤ プラモデルファクトリーをのぞいてから、伊東屋さんに用事があったので、銀座三丁目まで延々歩きました。結構な距離ですが、銀座通りを歩きながら街の変化を見るのが楽しい。
来年春にオープンする銀座松坂屋の跡地のビル(GINZA SIX)は、工事の覆いが取れてほぼできあがっていました。外観は意外とシンプルですが、中はどんな風になるのでしょう。
カルティエの新ビルもいつの間にかできていました。こちらはぴかぴかながらパリを思わせるシックな外観です。
追記 (2016.12.30)
今年も残すところあと一日となりました。皆さま、どうぞよい新年をお迎えください。
東京国際フォーラムの毎年恒例干支ツリー。来年は酉年です。
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