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「坂の上の雲」

今、司馬遼太郎さんの代表作、「坂の上の雲」を読んでいます。企業のトップをはじめ、実業界で活躍されている方が必ずといっていいほど愛読書として挙げられるこの本。日本人として、一度は読んでおかなくてはいけないな… と、思っていました。

本を読んでいるうちに、たしかNHKでドラマをやっていたな…と思い出して、こちらもあわせて見始めました。ドラマは2009年から3年がかりで放映されていて、第1部(全5巻)、第2部(全4巻)がDVDになっています。(第3部は、3月21日発売予定)

  Saka_no_ue_no_kumo  ドラマ「坂の上の雲」公式サイト

先日ようやく第1部を見終わったところですが、近代日本の黎明期を舞台にした壮大なドラマにすっかり魅了されてしまいました。主人公は、伊予松山でともに少年時代を送った3人の男たち、軍人の秋山真之(本木雅弘)・好古(阿部寛)兄弟、そして俳人の正岡子規(香川照之)です。

このほか、子規の妹に菅野美穂さん、母に原田美枝子さん、秋山兄弟の母に竹下景子さん、好古の妻に松たか子さんなど。今の日本で、ベストといえるすばらしいキャスティングです。ナレーションは渡辺謙さん、音楽はジブリ映画でおなじみの久石譲さん。

「坂の上の雲」は、司馬遼太郎さんが「戦争賛美と誤解される」といって存命中は決して映像化を許さなかったそうですが、ドラマを見ると、司馬先生がご心配されたのも無理もない、と納得しました。

というのも、秋山兄弟はじめ、この時代の日本の軍人たちが、とにかくかっこいいのです。明治というのは、日本の軍隊が一番輝いていた時代だったのだな、と実感しました。日本の武士道がまだ生きていて、一方では西洋から最高のものを柔軟に吸収していった時代。

列強から守るため、日本の知力と体力、全てが軍に集約していた、といったら言い過ぎでしょうか。新しい時代の空気を風のようにまとい、国家を背負って前に向かって突き進んでいく若者たちの姿が、とてもまぶしく感じられました。

男たちの物語ではありますが、それを支える女性たちのドラマとしてもまた魅力的でした。私は特に菅野美穂さん演じる律の、真之への切ない思いに何度も涙してしまいました。第一部は青春物語といった感じでしたが、この後はいよいよ日露戦争へと進んでいきます。今後の展開が楽しみです。

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小説は単行本で全6冊という長編ですが、まだ第一巻の途中を読んでいるところです。^^; 文章は、さっぱりとして凛々しく、読みやすいです。(三島由紀夫さんの麗々しい文章の後に読んだので、よけいにそう感じたのかも…。)

ドラマを先行して見ていることもあって、本を読むとその情景が、自然と目の前に浮かんできます。まだまだ先は長いですが、時々寄り道しながら、気長に読み進めたいと思います。

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刑事コロンボ 「別れのワイン」

6月23日にお亡くなりになった俳優のピーター・フォークさんを追悼して、少し前にNHKで「刑事コロンボ」4作品を放映していました。私は最初の2作品は知らずに見逃してしまったのですが、先日、録画しておいた「別れのワイン」を見ました。

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(画像はネットよりお借りしました。番組はカラー放映です。)

「刑事コロンボ」は、子どもの頃大好きだったドラマシリーズで、その中でも「別れのワイン」は印象深い作品でした。当時は子どもということもあり、ワインといえば赤と白の2種類しかないと思っていたので、ワインの世界がこんなに奥が深く、品質管理が難しいということを、この番組を通じて初めて知ったように思います。

今でしたら、(番組に出てきた)カベルネ・ソーヴィニヨンとかピノ・ノワールとか聞いても多少はわかるので、私も成長したなあと番組を見ながら感慨深く思いました。当時と比べて、日本人の生活の中にワインが広く浸透してきた、ということも大きいのでしょうね。

ワインの温度管理が犯罪を見破る鍵となっていたこと、犯人がだめになってしまったワインを片っ端から惜しげもなく捨てるシーンは、よく覚えていました。ただ、犯人はどうしてワインの貯蔵庫の空調を切ったのか、それがどうして被害者を殺したことと結びつくのか… 番組が終わってもわからず、もやもやしました。

すると、コロンボを研究している方のHPを発見! ようやく納得しました。(→コチラ) つまり、貯蔵庫に被害者を運びこんだ時にはまだ息があって、その後空調を切って閉じ込めたために、2日後に窒息死したこと。また、そうすることで死亡推定時刻を、犯人がニューヨークに出発した2日後にずらすことができたこと…。

捜査のためにワインのことを一から学び、犯人を逮捕する時にはすっかりワイン通になっていたコロンボ。それは犯人の一番の理解者になった瞬間でもありました。最後にコロンボが選んだとっておきのデザートワインで、別れの乾杯をする二人。犯人のコロンボへの賛辞のことばが、温かい余韻を残しました。

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NHKスペシャル ホットスポット最後の楽園 「日本」

ふだんTVはめったに見ないのですが、先日偶然見た「NHKスペシャル ホットスポット最後の楽園」という番組がとてもおもしろかったので、書き留めておきます。シリーズは全部で6回あって、私が見たのは第6回で最終回でした。う~ん、今まで見逃していたなんて残念。

ホットスポットとは、生物学者ノーマン・マイヤーズ博士の提唱した概念で、「生物多様性がきわめて豊かなのにもかかわらず、破壊の危機に直面している地域」のこと。その34の地域には日本も含まれているそうです。そして第6回は「日本 ~私たちの奇跡の島~」でした。

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番組では主に、上高地の山の中で暮らすニホンザルと、西表島に住むイリオモテヤマネコにターゲットをしぼって紹介していました。

ニホンザルは私たち日本人にとって身近な動物ですが、実は日本固有の貴重な種であり、極寒の地に生息する世界で唯一のサルだそうです。そういえば、アメリカの地理の本で、雪の中、温泉につかるニホンザル(snow monkey)が驚きをもって紹介されていたなあと思い出しました。

ニホンザルは、インドのアカゲザルが進化したものと考えられています。かつて地球が氷河期にあった頃、海面は低く、日本は大陸と地続きになっていました。大陸から日本に渡ってきたアカゲザルが、その後日本が島として分離してから、独自の進化をとげてニホンザルとなったそうです。

黒潮と対馬海流が日本にもたらす恵みの雨、それによって生まれたブナなどの広葉樹林のおかげで、ニホンザルは極寒の雪の中で樹皮などの食料を得て生きながらえるようになりました。誰に教わるでもなく、春になると雪解けに合わせて、食べ物を求めて山を登っていくニホンザルの姿は感動的でした。

     Hot_spot_2 (HPより)

西表島は、ここが日本?という亜熱帯のジャングルの風景にまず驚きました。イリオモテヤマネコは西表島の固有種で、100匹しかいない絶滅危惧種です。最近、島の道路が整備されたことによって、イリオモテヤマネコが車に轢かれる事故が増えているとのこと。人間と野生動物の共存の難しさを思い知りました。

ネコといえば魚が好物というイメージがありますが、意外にも自ら魚を獲って食べるのはイリオモテヤマネコだけだそうです。このほか、温泉にもぐってエサを採るニホンザル、離島で海藻を採って食べるニホンザルが紹介されていましたが、環境に応じて食性を変える動物の生命力に心を打たれました。

それで思い出したのは、ガラパゴス諸島の生物のことです。島の植生に応じてエサが変わるので、島によって(つまりは採るエサによって)ゾウガメの甲羅の形が違う進化をとげること、また世界で唯一、海にもぐって海藻を採るイグアナがいること…。

日本は離島とはいえませんが、やはり島国なので、生物もその地域での環境に応じた習性や食性をもつようになり、特異な進化をとげるのかな、と納得しました。

それにしても、映像で見る日本の自然の美しさに息を呑みました。西表島の亜熱帯樹林、雪に覆われた日本アルプスの山々、蔵王の樹氷、清流。南北に細長いため気候は亜寒帯~亜熱帯と変化に富み、また国土の大部分を占める山地と、周りを取り囲む海が日本に豊かな自然をもたらしている幸運を改めてかみしめました。

ナビゲーターは福山雅治さん。自然体で取材する姿に好感がもてました。

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